第3章 初期設定

この章で学ぶこと

  • gitgh のインストール状況をバージョンコマンドで確認する

  • Git のグローバル設定 (ユーザー名・メールアドレス) を行う

  • Windows 環境で快適に使うための改行コード・文字コード・既定ブランチ名の設定

  • GitHub CLI (gh) で GitHub.com に認証し、Git の HTTPS 操作と連携させる

動機・背景

Git は「誰が・いつ・何を変更したか」をコミット履歴として永続的に記録するツールです。最初に名前 (user.name) とメールアドレス (user.email) を設定しておかないと、コミットの作者欄が空っぽだったり、あとから書き換えるのに手間がかかったりします。チームでスクリプトを共有するなら、最初の数分でこの設定を済ませておくのが結局いちばん近道です。

また、Windows と Linux/macOS では「改行コード」が異なります (Windows は CRLF、それ以外は LF)。この違いを意識せずに作業を進めると、「ファイルを変更していないのに、Git からは全行が変更されたように見える」という現象に悩まされがちです。Windows 固有の設定をいま済ませておくと、こうした地雷を踏まずに済みます。

最後に、GitHub と連携するためには gh auth login で 1 度だけ認証を済ませておきます。一度設定すれば git push 時にもこの認証情報が自動的に使われるので、毎回パスワードを入力するような手間はありません。

動作確認

git --version
gh --version

期待出力例:

git version 2.50.1.windows.1
gh version 2.65.0 (2026-01-15)

注釈

バージョンが表示されない場合は Git for Windows / GitHub CLI のインストールを再確認してください。

ユーザー情報を設定する

git config --global user.name "あなたの名前"
git config --global user.email "you@example.com"

警告

公開リポジトリにコミットすると、ここで設定したメールアドレスはコミット履歴に残ります。プライバシーが気になる場合は GitHub が提供する no-reply アドレス (<userid>+<numeric>@users.noreply.github.com) を使うのがおすすめです。GitHub の Settings → Emails で確認できます。

Windows 固有の設定

git config --global core.autocrlf true
git config --global core.quotepath false
git config --global init.defaultBranch main

各設定の意味は次のとおりです。

  • core.autocrlf=true: チェックアウト時に LF→CRLF、コミット時に CRLF→LF に自動変換 (Windows 推奨)

  • core.quotepath=false: 日本語ファイル名をそのまま表示 (\346\227\245... のようなエスケープ表示を抑止)

  • init.defaultBranch=main: 新規リポジトリのデフォルトブランチ名を main に (GitHub と整合)

エディタを設定する (任意)

git config --global core.editor "code --wait"

Tip

VS Code を使っている場合の例。Notepad++ なら 'C:/Program Files/Notepad++/notepad++.exe' -multiInst -nosession、メモ帳なら notepad を指定します。

PowerShell 実行ポリシーについての補足

注釈

Windows の PowerShell 実行ポリシー (Get-ExecutionPolicy) は、PowerShell スクリプトファイル (.ps1) を実行できるかどうかを制御する仕組みですが、git / gh というコマンドの実行自体には一切影響しません (これらは PowerShell の .ps1 ではなく、独立した .exe 実行ファイルだからです)。「実行ポリシーが Restricted だから git が動かないのでは?」と心配する必要はありません。

設定を確認する

git config --list --global

user.name user.email core.autocrlf core.quotepath init.defaultBranch など、これまでに設定した主要な項目が一覧表示されることを確認してください。タイプミスがあった場合も、ここで気づけば git config --global --unset <key> または再度 git config --global <key> <値> で修正できます。

GitHub CLI で認証する

gh auth login

対話プロンプトで以下を選択します。

  1. GitHub.com

  2. HTTPS (本書は HTTPS を採用)

  3. Y (Authenticate Git with your GitHub credentials)

  4. Login with a web browser (推奨)

選択を進めると、ターミナルに 8 桁のワンタイムコードが表示され、続いてブラウザが開きます。表示されたコードをブラウザに入力して GitHub にログインすると、認証が完了してターミナル側に戻ります。これ以降、gh コマンドおよび HTTPS 経由の git push / git pull が認証情報を意識せず利用できるようになります。

認証状態を確認する

gh auth status

期待出力:

github.com
  ✓ Logged in to github.com account <あなたのID>
  ✓ Git operations for github.com configured to use https protocol.

ハンズオン課題

  1. git config --global user.name をあなたの GitHub ユーザー名と一致させる

  2. git config --get core.autocrlf を実行し true が表示されることを確認

  3. gh auth status で認証済みになっていることを確認

まとめ

  • バージョン確認は git --version / gh --version

  • ユーザー情報・Windows 固有設定はグローバルに 1 度だけ設定すればよい

  • core.autocrlf=true / core.quotepath=false / init.defaultBranch=main の 3 点が Windows 環境の定番設定

  • gh auth login で GitHub と連携し、gh auth status で確認する